以前からお伝えしていた“Appleが残電池容量が古くなったiPhoneの性能を意図的に劣化させている”という問題で、新たな進展がありました。
“意図的に劣化問題”のこれまでの経緯
この問題は12月上旬に海外の掲示板である「Reddit」のあるスレッド内で起こった議論が発端
となっています。
「Reddit」スレッド内にて「古いiPhoneのバッテリーを交換すれば処理能力が改善される」という書き込みが話題となり、その真実をベンチマークアプリ「Geekbench」が自ら検証したところ、iPhoneの残バッテリー容量と処理能力について因果関係が発見されました。
そういった事実が明るみに出て、Apple側は
「我々のゴールは、お客様にとって最高の体験を提供することです。それには総合的なパフォーマンスとデバイスの寿命を伸ばすことが含まれます。リチウムイオンバッテリーは寒い環境や、長年の使用による電池容量の低下によって、電流量や容量が減少します。その結果、電子部品を保護する目的で、デバイスが予期せずにシャットダウンする可能性があります。」
との公式コメントを発表。“Appleが古くなった端末の性能が落ちることを認識していた”という事実にさらに問題は拡大し話題となりました。
Appleがついに集団訴訟を受ける
米メディアのBGRによって公開された情報によれば、Appleはこの”残電池容量が古くなったiPhoneの性能を意図的に劣化させている”問題で、アメリカ・ロサンゼルス在住のステファン・ボダノビッチ氏によって集団訴訟を受けたと伝えられています。
ステファン・ボダノビッチ氏は、「Appleが意図的にiPhoneの性能を劣化させていることによって、端末の買い取り価格が低下し、経済的な損失受けている」とし、Appleに対して、意図的に性能を下げることを即刻改善し、これまでの古い端末を利用していたユーザーが受けた損失に対しての保証を要求しているとのことです。
Apple側の問題点とは?
この問題において、Apple側の問題点としては「性能が劣化することを認知していたにも関わらず、それをユーザーにアナウンスしなかった」という点です。
どんなに優れたiPhoneでも、機械である以上使い続ければ性能が劣化してしまうことは避けられないことだということは常識的に考えればわかることです。
そういった事実を事前にアナウンスし、「バッテリーを交換すれば動作は改善される」ということを公表しておけば、今回のように訴訟を起こされるということにはならなかったのではないでしょうか。
米メディアのBGRも、この問題について「Appleの方針は合理的ではあるが、ユーザーに対してもっと素直に事実を公開すべきだ」とコメントを残しており、Appleの今後の対応が気にかかります。
[Source:AppleInsider,BGR](yorimorishima)